公益社団法人射水市医師会

蜂は、餌をとるためではなく外敵を攻撃するのに毒針を使用します。蜂に2度3度繰り返し刺されると、蜂毒に対応する抗体ができ、蜂毒によるアナフィラキシ―ショックを起こします。アナフィラキシ―を疑う所見があるかどうかを見逃さないことが大切です。(担当理事)

 

1) 蜂に刺されたらその場から数十メートル離れてください。
 遠足や戸外活動中など巣が近くにある可能性があるときは速やかにその場から離れることが大切です。多数の蜂からの攻撃を避けます。

 

2) 刺された傷口を流水でよく洗いながし、毒液を絞り出すようにします。
蜂毒は水に溶けやすいので流水にさらすと毒を薄める効果が期待できます。
 「毒液を口で吸いだす」のは、口の中に傷があると傷口から体内に毒液が入り危険です。

 

3) 蜂の針が残っている場合は、毒液を再注入しないようにそっと抜きます。
刺されたところに蜂の針が残されていると蜂の針の根元に毒嚢があって、体内に毒が入ってしまうので、できるだけ早く抜くことが望ましいのですがつまむと毒液を注入してしまうことになるので、毛抜きで抜くか、指などで弾き飛ばす(横に払って落とす)ようにします。

 

4) 局所の疼痛に関しては、水か氷で冷やします。

 

5) 以上の処置を施しながら、アナフィラキシ―症状の出現の有無を注意深く観察する。
  アナフィラキシ―症状は刺された直後(早いときは数分)から1時間以内に何らかの症状がでてきます。速やかに医療機関を受診して下さい。(救急搬送も考慮必要です)

 

6) 過去に蜂に刺された既往があり、アナフィラキシ―対応時のエピペン処方受けている場合は指示に従い、

エピペンを速やかに使用してください。
蜂に対してのエピペン処方について、一度蜂に刺されたからといってその次に必ずひどい症状になると決まってはいない。蜂毒に対する抗体(IgERAST)の有無を確認してから処方することが望ましい。ミツバチ、スズメバチ、アシナガバチの特異的IgEを検査することができます。

 

7) アナフィラキシ―症状がでて救急車到着を待つまでは仰向けに寝かせ、足を持ち上げる。

重症時はできるだけ移動させない。特に背負うなど頭を高くした状態での移動は避ける。 

 観察時のポイント

*刺された本人が元気そうでも直後から1時間以内に何らかの症状が出る場合があります。
*局所の症状(刺されたところの疼痛、発赤、紅斑、腫脹)だけではアナフィラキシ―とはいいません。複数の臓器や全身に現れる激しい急性のアレルギー反応をアナフィラキシ―といいます。


*主なアナフィラキシ―症状(食物アレルギーと重複します)
 ○繰り返し吐き続ける
 ○持続する強い(我慢できない)おなかの痛み
 ○のどや胸が締め付けられる
 ○声がかすれる
 ○犬が吠えるような咳
 ○持続する強い咳込み
 ○ぜーぜーする呼吸
 ○息がしにくい
 ○唇や爪が青白い
 ○脈を触れにくい、不規則
 ○意識がもうろうとしている。
 ○ぐったりしている
 ○尿や便を漏らす


医療機関での対応の例
*アナフィラキシ―症状があれば適宜対応。
*受診時にアナフィラキシ―を疑う所見がなければ、蜂毒の直接作用による局所症状に対処します。

抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬など処方。とう痛に対しては局所の冷却指示。
*針が残っていれば速やかに除去

参考文献
*メルクマニュアル 第18版  *小児内科 特集 小児救急外来診療ガイド
*アレルギー緊急時個別対応票(富山市作成)
*インターネット上の資料
  「ハチに刺されたときの応急手当」(佐渡市消防本部) 「都市のスズメバチ」

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